《迷惑行為集団に政党交付金2億3734万円(2019~20年)。
これほどの「税金のムダ遣い」があるだろうか?》
「NHKをぶっ壊す!」「NHKの放送スクランブル化」――
わかりやすいワンフレーズ・ワンイシュー政治。YouTubeを活用した広報・選挙戦略。自信満々の言い切り時事解説。世間の耳目を集めるための「計算された」炎上商法。
党首・立花孝志氏を「日本を変える天才」ともてはやす有名人もいる。
しかし、掲げた政策は1ミリも進展せず、いまや選挙でも対NHK裁判でも連敗に次ぐ連敗。この奇策集団の落日は誰の目にも明らかだ。
はたして、それを冷笑とともに見届ければ事は済むのだろうか。
本書は、ジャーナリストとしてほぼ唯一、この党を追いかけ、警鐘を鳴らし続け、そのせいで数々の壮絶な嫌がらせに遭ってきた著者による、4年にわたる闘いの記録である。
議会制・政党制を茶番にしないためにも、わたしたちは問い続けなければならない。
なぜこの集団が一時的にでも隆盛を極め、国政政党にまでのぼりつめたのか。
なぜ実態は「迷惑系YouTuber」でしかない人物を「天才」だと思い込む人が続出したのか。なぜ党員や支持者たちは、明らかに反社会的な活動に与してしまったのか。
日本の政治・社会の危機が凝縮した「N国災禍」の本質に迫る。
【注】現在の正式な党名は「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」ですが、本書では原則として党勢が最も拡大した時期の旧称を使用しています。