あの頃、“イラストレーション"という言葉には、魔法がかかっていた。
和田誠、赤瀬川原平、木村恒久、横尾忠則、水木しげる、つげ義春、長新太、湯村輝彦、安西水丸……
学生時代から「ガロ」編集長時代までを駆け抜ける、自伝エッセイ。
モノクロ&カラーイラストを100枚以上収録。
〈もう少し経つと「イラストレーション」と日本語で言う人は、テレビのことを「テレビジョン」と言う人みたいになってしまうだろうが、1960〓80年くらいまで、イラストレーションというコトバは輝いていた。輝かせていたのは、雑誌『話の特集』に寄稿した、つまりアートディレクター和田誠に声をかけられたデザイナーや絵本作家、漫画家の人々だった。しかし当時イラストレーターという職業はまだなかったのだ。〉(本書より)