十七世紀のボストン。戒律の厳しい清教徒社会で、一人の女が広場のさらし台に姦通の罪で立たされていた。罪の子を胸に抱いたヘスターは、生涯、その胸に"姦淫"を意味する赤いAの字を縫いつけねばならないといいわたされる…。ヘスター、彼女と姦通して苦悩する若い牧師、裏切られて復讐に燃える夫の三人の姿と心理を鋭く追求し、光と影を交錯させながら人間の悲哀を描いた傑作。