12歳の少女サマァが生きているのは、いずれわたしたちもそうなるのかもしれない世界。地球の表面からほとんどの生命が消えて、砂漠に飲みこまれた世界だ。人々はそこで遊牧の民となり、残った木々を狩り、生きるためにそれらを材木にして売っている。サマァも木々を狩るハンターになりたいが、それは部族の掟で男の仕事。諦めきれないサマァは密かに準備し、ある日、狩に出たハンターたちのあとを内緒でついていく。しかし、砂漠にはさまざまな顔がある。道に迷ったサマァは獣と遭遇、さらに強烈な砂嵐に巻き込まれ深い穴に落ちてしまう。そこでの衝撃的な出会いがサマァの人生観を変えていく。穴の底で食料が尽き、日に日に弱っていくサマァ。それでもサマァがつかんだ真実が、部族全体の運命を永遠に変えることになる。サマァの1人称によるサバイバルファンタジー。詩的な雰囲気とともに強く切ない意志が伝わってくる命と希望の物語。