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  • Author中野信子 ヤマザキマリ
  • Publisher講談社
  • ISBN9784065218327
  • Publish Date2021年4月

生贄探し / 暴走する脳

「なぜ、誰かが得すると自分は損した気になるの?」
Go Toトラベルも、社会全体の経済をよくするためが、「あの人だけ、いい思いをするなんて許せない!」とモヤっとした人は少なくありませんでした。そんな負の感情が連鎖しやすい傾向こそ、日本人の脳の特徴だったのです。
一方、「日本人は親切だ」「日本人は礼儀正しい」「日本人は真面目だ」「日本人は協調性がある」──こうした日本人への褒め言葉をよく耳にします。でも実は、日本人はよその国の人よりいじわる行動をすると判明。自分が損をしてでも相手に得させない行為をする日本人。
パンデミックでは、コロナ禍で奮闘する医療者までも生贄探しの対象になりました。むき出しになった正義中毒に誰もが「他人の目が怖くて」自粛。巣ごもりで毒親に悩むケースも目立ちました。自他ともに生きにくさを増すこの時代、脳科学者の中野信子さんと、時代も国も越えた体験を描く漫画家・随筆家のヤマザキマリさんが鋭く分析。パンデミックの経験を無駄にせず、心豊かに生きる方法が得られます。
〈目次より〉
第1章 なぜ人は他人の目が怖いのか 中野信子
「魔女狩り」に見る人間心理の闇/幸せそうな人を見ると、なぜモヤッとするの?/脳は、誰かと比べないと幸せを感じられない/なぜ、「他人の不幸」は蜜の味なのか/世界でもいじわる行動が突出している日本人/あなたが生贄にされないために 他
第2章 対談 「あなたのため」という正義──皇帝ネロとその毒親
人はいともたやすく正義中毒にはまる/なぜ読者が、皇帝ネロに感情移入したのか/母親や重臣殺害の深層心理/自己評価の低さがおデブの引き金に/わが子を自己実現の道具にする毒親/間違った褒め方がプチネロを作る 他
第3章 対談 日本人の生贄探し──どんな人が標的になるのか
プチネロたちの脳内/「群れ」に生じる凶暴な安心感/なぜ、日本では陰湿な炎上が起きるのか/「群れに害をなす」というレッテル/ファッション化する「正義」/フェラーリで上がる男性ホルモンの値/キリスト教と仏教の救済の違い/攻撃する側の脳内を満たす快感/「得していそうな人」が生贄になる 他
第4章 対談 生の美意識の力──正義中毒から離れて自由になる
境目の人々に見えている世界/戦わずして勝つフェデリーコ2世の戦略/エンタメは負のエネルギーを浄化する/日本人を変質させた歴史のキーワード /「違い」を面白がれる生の美意識/自分は自分が大事、相手も自分が大事 他
第5章 想像してみてほしい ヤマザキマリ
「出る杭を打つ」日本を恋しがるイタリア人の夫/思い知らされた「世間体」という日本の戒律/想像力の欠如がヒトを危険生物化する/人を脅かし群れさせる「孤独」の正体/自他ともに失敗が許せない時代 他

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