日常の瑣末から乖離し時空を自在に往来する幻想世界で人間本来の生の意味が描かれる。『流れない川』-新潟地震が惹起した幻肢痛とそれに苛まれる男の企み。『吾が骨は拾われたのか』-飛行部隊の軍医の機上戦死の真相とは。『補充の天地』-一家の小史を探る下町巡り。『放哉ユウラシア』-あり得たかもしれない尾崎放哉と馨の満州生活。