釈尊の根本思想を、徹底した実証によって鮮やかに解き明かす仏教の始祖である釈尊(釈迦)の本来の教説に最も近接しているのは、経典「パーリ五部」と「四阿含」である。しかし、このことは仏教界において、長年にわたり等閑視されてきた。明治以降、ようやく注目されるようになったこれらの経典を深部から読み解き、釈尊の根本思想をあらためて抽出しつつ、その思想の驚異の革新性に迫る。歪曲された思想の核心を、客観的資料から探る新たな試み――〈思想学〉の本格展開