電気の光、パリの音楽、松の匂い、カジキの味…ヘミングウェイの初期から後期に渡る主要作品について、「五感」にまつわる表現に焦点をあて、包括的に分析する。二〇世紀アメリカの混沌とした時代に、作家は何を見て、聴いて、触れ、嗅ぎ、味わったのか。