おいしそうなシチューのにおいをかぎつけた きんじょのひとたちが、つぎつぎにアーモのアパートにやってきた。そのひとりひとりに きまえよくシチューを わけてあげたのだけど……。アーモ、そんなにあげちゃって だいじょうぶ?
作者オーゲ・モーラの両親はナイジェリア出身で、イボ語が母語でした。「アーモ」は「女王」という意味です。オーゲにとっては「おばあちゃん」をよぶときのことばでした。おばあちゃんは、大きなお鍋をまぜながら、ラジオの音楽に合わせて楽しそうに体を揺らしていたそうです。お鍋の中身はたいていシチュー。夕食の時に近所のひとが来れば、一緒にいかがと誘いました。そうした思いやりや愛にみちた精神が、この本のもとになりました。