本書は、デール・カーネギーの世界的ベストセラー『人を動かす』を教育学者の齋藤孝が原著の流れに沿って読み解き、その意味するところをわかりやすく、深い共感をもって解説する。1937年の発売以来、今日までに1,500万部を売り上げた原著には、人を動かす原則、人に好かれる原則、人を説得する原則、人を変える原則など、人が生きていく上で身につけるべき人間関係を円滑にする様々な知識・知恵・技術が、豊富な事例をあげて説明されている。「いかに相手の身になって考え、行動できるか」が、すべての人間関係における原則であると説く彼の言葉は、全く色あせないばかりか、他人との交流に悩む人の多い現代にこそ響く。
また本書では「22歳からの社会人になる教室」とシリーズ名を記しているように、これから実社会に出ていこうとしている若者を読者の中心に置いている。22歳というのは、世間的に見ても、もう大人だなというふうな年齢として扱われる。しかし、社会経験があまりないという点では、ちょっと子どもっぽいと言わざるを得ないところもあるからだ。一人前の大人になるために他人とどのように接したらよいのか、本書には著者自身のオリジナリティーに溢れた実践的ノウハウがふんだんにちりばめられている。読めば原著に込められたカーネギーの奥深く普遍的なメッセージに触れ、さらに齋藤教授による今日的な事例に対処する方法を学べ、今すべきことを客観的に判断する力がつく。若者に関わらず、全ての年代の人に、また職場や地域の人、家族や友人など、生活の様々の場にかかわる全ての人に役立つ必読の書。